時代は逆戻りしている。それを私達は求めている。
前置き。どうしてここは潰れない。
先日下町の飲み屋に行きました。
昔からその街でやってきた老舗の居酒屋の隣に安くて美味しいと評判の居酒屋チェーンが建っていました。
おそらく居酒屋チェーンは老舗を潰しに来たのでしょう。
なんて残酷な世界なんだろう。
と、思いながら居酒屋チェーンの暖簾をくぐりました。
「今日は空いていてラッキーだね」なんて言いながら。
私たちが店を出た時、高くて小汚いその老舗居酒屋はお客さんで一杯でした。
私には理解ができませんでした。
目次。
どうして今時紙書籍。
Kindleを代表とする電子書籍の普及、iPadや電子ペーパーなど電子タブレットの発売によって、我々の読書は根本から変化を遂げようとしていました。
店頭に行かずとも商品の購入が出来るネット通販の普及も相まって
「本屋は潰れる。」
とさえ囁かれていました。
さらにAmazonが最近力を入れている「audible」を代表とするオーディオブックという新分野。
iOSがKindleの音声読み上げ機能に対応した事も最近話題になりました。
紙不足が深刻な環境問題として騒がれる現代。
持ち物が少ないミニマリストの多い現代。
電子書籍はそれらの最適解の一つでした。
しかしなぜか残り続ける紙媒体。
その理由として多く挙げられるのが
「紙に慣れているから」
昔から紙で読んでいたから紙がいいって、それ
「昔から黒電話使ってきたから今も黒電話が良い」って言ってるのと同じじゃない??
「読書の時くらい画面から離れたい」
こんなに電子書籍の方がメリットたっぷりなのに画面から離れたいって。
今はもう画面から離れたら何もできないよ!
んん、、わからない、わからない、、。
他にも、どうして今時。
書籍の他にも、例えば手紙。
メールやLINE、各種SNSのdmによって遠く離れた人と連絡を取るのも全く困難ではなくなりました。
それなのに手紙の需要は減るどころかむしろ高まっているような気がします。
文字を書くよりタイピングで打ってしまった方が楽。
紙やペンを買う必要もない。
郵送代も80円のところ、送信なら1円もしない。
それに郵送と違って一瞬で届く。
手紙を書くメリットがどこにあるのか。
他にも、家電や電子機器など高い買い物をする時に特に顕著ですが、物を買う時選択肢が増えた今、ネットで出来るのにわざわざ店舗まで足を運び、店員に選んでもらいたがる人も増えていますね。
書籍も、メッセージも、お買い物も、全部デバイス1台あればその中だけで完結する。こんなに便利な時代になったんです。
しかし、時代は進みすぎた。
そう、人間が情報に追いつくスピードより遥かに速く、技術は進化を続けてしまった。
そして私達は段々と、進みすぎた時代に追いつく事に疲れてしまった。
機械だらけのめちゃくちゃ便利で、そしてどこか冷たい現代に居心地の悪さを感じるようになってしまいました。
大量の参考になるレビューを持つamazonにオススメされるより、温かみのある店員さんにオススメされる方を好むようになってきたのでしょう。
よく知り合いのおじいちゃんが言っていました。
「コンビニのコーヒーは確かに安くて早くて美味いが、そういうことではない。喫茶店でオーナーと喋りながら飲むコーヒーには勝てないんだよ」と。
きっと前置きで話した居酒屋も、お客さんが欲しかったのは美味しい食べ物やお酒だけじゃなく、その温かみのある環境なんでしょうね。
これから時代は、
「アナログ時代に馴染みのあった物の原型を残したサービス」や
「最良の選択を勝手にしてくれるサービス」
「人の温かみを感じられるサービス」にシフトしていくかもしれません。
便利になればなるほどアナログを求める、なんて皮肉なことなのでしょう。
人と顔を合わせなくていい時代こそ、温かみのある人間にならなければ。
それでは。
くぅ
(これら押して帰っていただけると大変喜びます。)