海外で働きたいと思う前に一度考えてほしい。どこがあなたの理想の職場か。
前置き
およそ4年前の2015年12月。
電通が招いた過労死事件をきっかけに、多くの会社が長時間の労働時間で摘発されました。
ブラック企業大賞という不名誉な表彰にも注目が集まりました。
そして、今年2019年4月から働き方改革法が順次適用されています。
日本では今、
「働く」
ということに対して非常に関心が集まっています。
「海外で働く」ということに関心を向ける人も増えてきました。
トロントに来てまだ3週間。
見てきたのはB2C、とりわけ接客業がほとんどですが、それでも自分なりに色々考えさせられる事があったので書き残しておきます。
目次。
海外では自由に働ける?
海外と比較した時、日本で働くというと、どういったイメージでしょうか?
「お客様は神様。」
この一言はとてもよく日本の労働環境を表しているなあと思います。
日本で働く時は常にお客さん目線。
私語は厳禁。
着席は怠惰。
あくびもお客さんの前ではしない。
環境によっては上下関係のせいで合理的でない変なルールもたくさん。
それに比べて、カナダ🇨🇦では人々が本当に自由に働いているという印象を受けます。
バスの運転手は私服だし、駅員は座って携帯をいじっているし、カフェの店員はお客さんへの接客より従業員同士の会話を優先したりしています。笑
また、残業も少ないです。
語学学校の先生はランチタイムになるとどんなに生徒が列を作って待っていても
「ランチが終わるまで待って」
と容赦無く門前払いしますし、終了の時刻になると本当に誰もいなくなります。
声をかけても
「また明日来て」
と言われてしまいます。
日本で学生をやってきた私にとってはかなりショッキングでした。
別の日、前にバスに乗っていた時のこと。
運転手はバス停で待っているお客さんに対して
「(前は混んでいるから)前のドアではなく後ろのドアから乗ってくれ」と伝えたかったのでしょう。
外で列を作って待機していたお客さんに対し、ドアを開ける事もなくお客さんを
手で払って
「後ろにいけ」と指示していました。
こんなことをしたら、今の過敏な日本だと大問題、SNSに載せればすぐ炎上、昼のワイドニュースで取り上げられるかもしれません。笑
でもそれが許される。というか日常茶飯事です。
「お客さん目線」では無く「自分の仕事+自分目線」でみんな自分の信念を貫いて働いている。
誰かに「働く態度」を縛られる事無く楽しそうに働いている。
最低限、やるべき仕事がこなせてればいいのだろう、そんな印象を受けました。
だからこそ、それ以上の仕事をした優れた従業員に対し「チップ」というものがあるのだと考えています。
ちなみに、そんなお客さん目線の日本の接客というのはかなりレベルの高いものだそうで、細かい気遣いの出来る日本人にとってチップ制度はうまく働くことも多いのだとか。!!
こんな話を聞いて、カナダで、または海外で働いてみたくなったでしょうか?
日本の労働環境は本当に劣悪か。
ある日、語学学校の授業でディスカッションの時間があり、南米からきた女子学生と「最低賃金」について話し合っていたときのこと。
彼女は最初、自国の最低賃金について「およそ月15万円」だと紹介してくれました。
いわゆる発展途上国だったので、意外と高いんだなあと思っていました。
しかし話し合っているうちにその数字に斜線を引き、「月3000円」に書き換えたのです。
、、、?
私はその意味が全く理解できませんでしたが、彼女は続けてこう説明を加えました。
「貧しい地域では特に、国が定めた最低賃金を守っている所は少ない。だから実際はこの程度の賃金しかもらえていない人たちがいるのも確かだ。」
我々が先進国等豊かな国で働くことを選べば、確かにここまで酷い労働環境に出くわすことはないでしょう。
しかし海外で働くという選択肢を選ぶ時、果たして、全く関係ない話なのでしょうか?
あなたはどちらで働きたいか。
日本には残業という習慣が残り、ブラック企業だらけ、日本は労働環境は劣悪だ!
と思うかもしれませんが、
日本にはブラック企業摘発に貢献している労働基準監督署という部署があり、最低賃金を始め、労働時間、その他不正を働いていないか企業を見張ってくれています。
また労働者には企業都合でそう簡単にクビにされない規約があったり、失業しても社会復帰を支援してくれるサービスがいくつもあったり、非正規雇用でも十分暮らしていけるように政府が動いています。
働き方改革法が施行されて、休暇の規定も厳格化されたりと労働者目線で国がたくさん動いてくれるのは世界的に見れば優秀な政府と見なされるかもしれません。
そういった点で、実は世界的に見れば日本は
「世界で一番労働環境に恵まれている国」
だという意見もあるそうです。
もしあなたが海外で働いた場合、そして何か問題が起きた場合、これほど手厚いサポートはないかもしれません。
日本以上に、自分の身は自分で守らなければいけません。
日本よりも自由に、好きなように働ける実力主義の海外。
世界的に見て高水準なサポートが受けられる日本。
あなたにとって、どちらが魅力的でしょうか。
まだまだ私も見ている世界はほんの一部なので、いずれ自分が働く側に回った時にまたこうして実情を綴っていきたいと思っています。
くぅ
(これら押して帰っていただけると大変喜びます。)
働くのではなく、海外で語学を学びたいと迷っている方はこちら。
あなたの海外留学への決意を後押しできるかも?
お前は何者なんじゃい。という方はこちらの自己紹介記事。